皆さまと私たちの安全のために
医療を受ける上での最低限の担保
それは、医療機関に安心してかかること
消毒滅菌に関しては消毒の機械があればよいわけではない。
そこに血の通った「しくみ」が求められる。
教育、機材、予約システム、環境、意識、機材管理システム
どこがかけても成り立たない。
信頼たり得るように常に進化を求められる。
キーワードは「滅菌バリデーション」
滅菌していると言うのではなく、滅菌されているか
確認。
当院では毎日の滅菌関係のデータをブログで開示しています。
安心の個室
プライバシー保護と感染予防のために
治療の相談やお口を治療しているのは人にみられたくないもの、でももっと大事なのは交差感染予防のため1対1での治療、完全予約制であなただけの時間と個室をお取りします。
スタンダードプレコーション
どなたにも平等な感染予防対策
巷では熱だけの滅菌装置が流通していますが。内部までの洗浄をしっかりと行わないと、下の写真のように油と汚染物が、かえって熱でこびりついた状態になります。世界でこの装置だけが洗浄し内部まで滅菌してくれるのです。
歯を削るタービンと言われるドリルの内部です。内部まで洗浄が必要です。
監修:前田芳信 編:柏井伸子 クインテッセンス出版)歯科
医院の感染管理 常識非常識 より
全ての方に毎回、内部まで洗浄滅菌したハンドピースを使用します。
ヨーロッパ規格の滅菌の機器詳細は下記参照
機材を梱包する袋を封鎖する機器
99.99%の歯科医院ではドリルも神経治療の針も使い回しの事実があります。
むし歯の部分を削るドリルの先端は刃物になっていて、歯の間に削りかすが残り、超音波の洗浄でも完全に取り除くことは難しい。
監修:前田芳信 編:柏井伸子 クインテッセンス出版)歯科
医院の感染管理 常識非常識 より
根の管を消毒する針も一度使うと歯のくぼみに感染した汚物が残ります。
監修:前田芳信 編:柏井伸子 クインテッセンス出版)歯科
医院の感染管理 常識非常識より
詳しく知りたい方は長文ですが以下をお読み下さい
解説
滅菌はシステムです。滅菌の機器を置いて滅菌すれば良いという訳では無いはずです。表面的に取り繕って、いかにもやってますという歯科医院がほぼ全てといっても、 語弊がないと思っています。落とし穴があちらこちらにあるのですが、それについて簡単に解説します。
最初に環境についてですが、現実には歯科医療の多くは外科処置です。医科では、同じ手術室に多数の患者さんを導入し、同じ執刀医が流れ作業的に手術を同時にするということは、あり得ないはずです。前提の一つは個室であること、同時に多数の患者さんを予約し、同時に処置することが無い、出来たらアシスタントが2名付くこと。これが必要です。
またもう一つの前提は、一人一人の診察時に機材を交換すること。交換できないものに関してはカバーをすること。「こんなこと当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、日本の医療制度ではこの環境を整える状況は本当に難しいと思っています。これの二つが前提条件です。
さらに問題は山積です。
多くの歯科医院が滅菌に目がいきますが、その前に「洗浄」が実は大事です。
消毒にしろ滅菌にしろ、「洗浄」の工程がきちんと行われていないと次のステップに意味が無くなります。器具に処置後のタンパク(血液なども含む)や雑菌の塊がこびりついては滅菌の質が担保できません。
最初に多くはタンパク溶解剤を使用します。タンパクを溶かすの必要な量と温度、攪拌が具備されていなければ酵素は働きません。
このような酵素が活性しやすいように保温し、新鮮な液がポンプで攪拌され、なおかつ超音波で細かい汚れを浮かすような状態で機材を浸漬しなければなりません。
その後、ウォッシャーディスインフェクターという、【洗浄→すすぎ→消毒→乾燥】の一連の工程を自動的に行う熱水消毒機にかけます。手洗いでは危険も伴いますし乾燥工程がしっかりしていないと次の滅菌工程に影響します。
この機材も数百万しますので日本での普及率は低い状態です。
当院では Miele&Cie.KG社のジェットウォッシャーを使用しています。
洗浄の評価も日々、インジケーターで確認し、全て記録に残してあります。
洗浄が終わった後で次に滅菌のステップですが、こちらも日本には問題があります。
それは、滅菌の機械が旧式だからです。欧州では「クラスBの高圧蒸気滅菌」の使用が義務づけられています。
しかし、日本ではその普及率が民間医療機関で2%以下といわれています。日本でよく使われている「クラスN」では、筒状のものや、袋詰めされた物は滅菌できないのです。
具体的に筒状というのは、唾液を吸う管、はさみ、鉗子のようなものです。袋詰めされた器具は、袋の外側は滅菌されるのですが、肝心な袋につめた器具まで蒸気が届かないのです。
*注
①イランでは2006年から、公的な医療機関ではクラスB滅菌器を設置することとなった。
②東ヨーロッパはEUに準ずる。アメリカ、カナダはFDAを標準とする。
2%以下の日本が突出して少ないのが分かります。
さらに、袋詰めの蓋をするレベルも問題があります。 多くの歯科医院で使われているシーリングは、 食品会社のレトルトをパックするのに用いられている加熱器です。シール幅が5mmしかないうえに、続けてシールすると温度が低下したり、皺ができやすかったりと信頼性に欠ける物です。
当院で使用しているのがドイツhawo社の国際標準規格に準拠したメディカルシーラーです。
12mm の幅でしっかり密着させます、また滅菌した日付を印字したり、工程不良があるとエラー表示されますので品質の標準化がはかれます。
このように、機材があればそれで良いわけではありません。
システムですのでその評価も必要です。
こちらも毎日、機材を使い始める前に検査をしてしっかり熱が伝わり密封しているか確認しております。
当院では各種のテストを行っていますが、その一つとしてボウィー・ディック・テストをご説明します。一般的にボウィー・ディック・テストと呼ばれているこの試験は、真空式高圧蒸気滅菌器の残留空気の有無および滅菌器用蒸気の品質を確認するために行われるます。
血液と同じく唾液も感染性物質と捉えてのシステムにはマンパワーとコストがかかります。
まだまだ、システムの評価では詰めないと行けない部分が御座いますが、日々改善していきます。
滅菌はシステムです。滅菌の機器を置いて滅菌すれば良いという訳では無いはずです。表面的に取り繕って、いかにもやってますという歯科医院がほぼ全てといっても、 語弊がないと思っています。落とし穴があちらこちらにあるのですが、それについて簡単に解説します。
最初に環境についてですが、現実には歯科医療の多くは外科処置です。医科では、同じ手術室に多数の患者さんを導入し、同じ執刀医が流れ作業的に手術を同時にするということは、あり得ないはずです。前提の一つは個室であること、同時に多数の患者さんを予約し、同時に処置することが無い、出来たらアシスタントが2名付くこと。これが必要です。
またもう一つの前提は、一人一人の診察時に機材を交換すること。交換できないものに関してはカバーをすること。「こんなこと当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、日本の医療制度ではこの環境を整える状況は本当に難しいと思っています。これの二つが前提条件です。
さらに問題は山積です。
多くの歯科医院が滅菌に目がいきますが、その前に「洗浄」が実は大事です。
消毒にしろ滅菌にしろ、「洗浄」の工程がきちんと行われていないと次のステップに意味が無くなります。器具に処置後のタンパク(血液なども含む)や雑菌の塊がこびりついては滅菌の質が担保できません。
最初に多くはタンパク溶解剤を使用します。タンパクを溶かすの必要な量と温度、攪拌が具備されていなければ酵素は働きません。
超音波恒温槽
このような酵素が活性しやすいように保温し、新鮮な液がポンプで攪拌され、なおかつ超音波で細かい汚れを浮かすような状態で機材を浸漬しなければなりません。
その後、ウォッシャーディスインフェクターという、【洗浄→すすぎ→消毒→乾燥】の一連の工程を自動的に行う熱水消毒機にかけます。手洗いでは危険も伴いますし乾燥工程がしっかりしていないと次の滅菌工程に影響します。
この機材も数百万しますので日本での普及率は低い状態です。
当院では Miele&Cie.KG社のジェットウォッシャーを使用しています。
洗浄の評価も日々、インジケーターで確認し、全て記録に残してあります。
洗浄が終わった後で次に滅菌のステップですが、こちらも日本には問題があります。
それは、滅菌の機械が旧式だからです。欧州では「クラスBの高圧蒸気滅菌」の使用が義務づけられています。
しかし、日本ではその普及率が民間医療機関で2%以下といわれています。日本でよく使われている「クラスN」では、筒状のものや、袋詰めされた物は滅菌できないのです。
具体的に筒状というのは、唾液を吸う管、はさみ、鉗子のようなものです。袋詰めされた器具は、袋の外側は滅菌されるのですが、肝心な袋につめた器具まで蒸気が届かないのです。
国 名 | 公立 医療機関 | 民間 医療機関 |
中国 | 80% | 20% |
韓国 | 100% | 30% |
マレーシア | 80% | 10% |
タイ | 80% | 10% |
シンガポール | 100% | 60% |
アラブ湾岸諸国 | 80% | 40% |
イラン | 100% | 10% |
西ヨーロッパ | 100% | 90% |
東ヨーロッパ | 80% | 30% |
アメリカ・カナダ | 60% | 20% |
北アフリカ | 25% | 10% |
中央・南アフリカ | 10% | 20% |
*注
①イランでは2006年から、公的な医療機関ではクラスB滅菌器を設置することとなった。
②東ヨーロッパはEUに準ずる。アメリカ、カナダはFDAを標準とする。
2%以下の日本が突出して少ないのが分かります。
さらに、袋詰めの蓋をするレベルも問題があります。 多くの歯科医院で使われているシーリングは、 食品会社のレトルトをパックするのに用いられている加熱器です。シール幅が5mmしかないうえに、続けてシールすると温度が低下したり、皺ができやすかったりと信頼性に欠ける物です。
当院で使用しているのがドイツhawo社の国際標準規格に準拠したメディカルシーラーです。
メディカルシーラーhawo850DC-V
12mm の幅でしっかり密着させます、また滅菌した日付を印字したり、工程不良があるとエラー表示されますので品質の標準化がはかれます。
このように、機材があればそれで良いわけではありません。
システムですのでその評価も必要です。
こちらも毎日、機材を使い始める前に検査をしてしっかり熱が伝わり密封しているか確認しております。
当院では各種のテストを行っていますが、その一つとしてボウィー・ディック・テストをご説明します。一般的にボウィー・ディック・テストと呼ばれているこの試験は、真空式高圧蒸気滅菌器の残留空気の有無および滅菌器用蒸気の品質を確認するために行われるます。
ブラウン TSTボウィ・ディックテストパック
血液と同じく唾液も感染性物質と捉えてのシステムにはマンパワーとコストがかかります。
まだまだ、システムの評価では詰めないと行けない部分が御座いますが、日々改善していきます。