守り育てる医療を目指して
「小児歯科」と聞いて皆さんはどんなイメージを持つでしょうか?
子ども好きな優しい先生が、子どもだけに集中して上手になだめすかして虫歯治療をする
こんな感じでしょうか?
保護者の皆さんの中にも歯医者さんが嫌いな方も多いでしょう、その多くの方が子どもの頃の嫌な体験が歯科医院から足を遠ざけているのです。
現在、当院では多くのお子様が来院を楽しみにされています。これは、そもそも嫌な歯の治療を体験したことが無いお子様が多いからです。
皆様のお子様も、幼稚園や保育園、小学校でむし歯の問題が無いと言われて安心している。方も多いと思います。しかし、そこには重大な落とし穴があるのです。
今、確かに「フッ素入り歯磨き粉」が普及した為、むし歯で苦労する子どもは極端に少なくなって来ました。
上のグラフは1本でもむし歯を持っている3歳の子供の割合です1993年は二人に一人がむし歯にかかっていたのですが、このまま減少すると2022年には12%になる予想です。
しかし、その一方で、一部のお子様が「一人で多数のむし歯を抱えている」状態です。
むし歯になり易い体質や環境の子供に対する対応が取り残されています。
また、むし歯の指摘を受けていなくても、目に見えない「リスク」が潜んでいることもあります。
乳歯や生えて間もない永久歯はむし歯が神経まで進行しても痛みを訴えないことが多いので、穴が開いてからの対応では手遅れになることもあります。従って、穴が開く前つまり、ミネラルが溶け出して白く濁っている状態も病気と捉え、ミネラルを歯に戻すという「内科」的な対応が大事となります。
従来の保健医療では穴が開いてから病気と認定し治療は削るだけという事後処理型となります。
このような医療制度では限界を感じぜすにいられません。
そこには、なぜ、むし歯が進行したのか、どうしたらそれを避けられたのか?発想が無いのです。
また、食習慣、生活習慣などのそのお子様を取り巻く環境の変化の変化もあります。
さらに、子供は味覚などの方向性を決める大切な時期でもあります。つまり食を育むという発想も必要です。
歯並びや顎の成長の不調和を持っている子供の多さも目につきます。
これは姿勢や、舌の癖なども配慮しないと歯並びや骨格の成長にも影響するためです。
これは歯並びだけを矯正すればいいというわけではありません。
実は、食べる、話す、呼吸することが上手に出来ていない影響が大きいのです。
そのため、当院では「MFT」と呼ばれる筋機能訓練や姿勢のアンバランスやお口の癖、呼吸の癖など生活習慣背景をも想像しながら、トレーニングを取り入れています。
そこで菊地歯科からの提案です。
・歯を削る治療より前に予防を中心とした医療を提供します。
・お子様の頑張る気持ちを応援しますので、無理な処置はいたしません。
・歯科衛生士、矯正医、歯科医師と共にチームでサポートします。
・子どもの歯は繊細ですので、顕微鏡やレーザーを用いて精密な処置を心がけます。
・舌や唇の癖、悪い生活習慣は骨格まで影響しますので修正トレーニングをいたします。
・保護者様の不安もサポートします。
当院では「小児歯科」という言葉は使っていません。私たちの思い描く小児歯科はちょっと違います。あえて言うなら「未来歯科」
なぜならば「小児」という時期だけを輪切りにして捉えることに抵抗があるからです。
私たちは、お子様が生まれる前からサポートを開始し、心身とも健やかに成長して、一生美味しく食生活を送れるように寄り添い、20歳までに健康なお口だけが目標でなく、食習慣を含めた生活「未来の大人を支える医療」だと思うのです。
その一歩はお子様を取り巻く私たち大人たちの責任なのです。