「もう抜かないと治療は出来ないね〜」そう歯医者さんに言われて

当院を訪ねていらっしゃる方も少なくありません。

そんな例に「治療はしたいのだけれど・・・・出来なかった」

というパターンが有ります。

今回の例も根の消毒の再治療で一度神経を取った後に、

何らかの原因で再治療をしなければならない時

以前の治療時に針が折れのこっていて、その針が邪魔しているという

状態でした。

「えー、そんなこと有るのですか〜?!」

と思わず声を出されるかもしれません。

しばしばそのような状態を見かけます。

針とはこの様な物です。

歯科 根管治療用ファイル

「MANI」社ホームページより借用

下のレントゲン写真をご覧になってください。

分かりにくいので解説します。

 

 

レントゲン解説図

一番下に 白く写っているのが「折れ残った針です」長さは2mm程度でしょうか?

取り除こうとして、かえって歯を駄目にする事もあるため

リスクを考え、そのままにしておくこともありますが

感染源になっている場合もありますので、取り除かないと

歯を喪うことにも繋がります。

ただし、顕微鏡を使いながらの繊細な手技が必要となります。

ご参考に動画を掲載しておきます。

この針は本来は1回限りの使い捨てなのですが

保険治療ではこの針1本分の治療費もいただけません。

そのため、高熱の滅菌器に入れて繰り返し使う結果、

金属疲労を引き起こし、使用中に突然折れるのです。

また、先ほどの図の様に「木ネジ」のような構造になっているため

いくら滅菌してもそれ以前にネジの部分に使用した時の感染物質が

キレイに取り除けませんし、血液に汚染されていることもあります。

血液の付いたファイル

「 監修:前田芳信 編:柏井伸子 クインテッセンス出版)歯科 医院の感染管理 常識非常識より」

色々な意味で危険なのですが、針を使い捨てにしていると言う話は

日本の歯科界では聞いたことがありません。

そもそも、安全性が担保されていないのが日本の歯科医療なのです。

「最後の駆け込み寺」でも構いません。

「抜かないといけない」そんな状況にどこまでお手伝い出来るかわかりませんが

喜んでお手伝いいたします。まずはご相談ください


追記

昨日、無事に根にゴム栓をする事が出来ました。

治療後のレントゲンです。針を取り除いた後のレントゲン写真です

根の先に白く写っているのが「ゴム栓」です。

赤丸印を付けた写真

根の消毒には 歯科医の良心が出るところだと思います。

根の消毒後には必ずレントゲン写真を印刷して頂きましょう。