先日、若い男性の方が受診されました。お話を聞くと「下の歯が凍みて痛く、時々何もしなくても痛くなる」とのことで大分お困りの様子。聞けば4件の歯科医院を渡り歩いたが診断が着かず、最後には近隣の市立病院の歯科口腔外科を受診し「CT」撮影までしたがそれでも原因が分からなかったという経緯。ご本人は直近で神経を取った下の歯が原因だと思われている。神経の無い歯は凍みることが無いので別の歯が原因だろうと更に治療歴を伺うと上の奥歯も最近治療したとのこと。これは怪しい・・・・そこで、氷を歯に触れた途端飛び上がるように痛がる。これで犯人決定。

　しかし、今までの歯科医院ではごくごく当たり前のこの様なチェックをして頂けなかったとのこと。歯が冷たい物で凍みるならば、冷たい物を押し当てて調べるなどは小学生でも思い浮かぶこと・・・・・

「後医は名医」※とはいえあまりのも杜撰な診断。話を聞く余裕の無い保険診療の環境は分かるが、話を聞く姿勢、ロジカルに診断する判断力、最後に実際に手仕事としての「腕前」どれもがだいじであるが、大きく欠けているのは「人への興味」であることは間違いない。毎日この様な新患がいらっしゃることに憤りを感じる。

※同じ患者さんを診察した場合に先に診察をした医者より、数日たってから、同じ患者さんを診察した医者のほうが情報量を多くあり、より正確な診断することが可能性があるという意味