皆さん、添加物などを気にして食品のパッケージの裏を見たことはありませんでしょうか?

そこには、原材料や添加物などが列記されていますが。その並び順は重量の割合の高い順に表示されています。

 歯医者さんでは昔から金属を使って詰め物やかぶせものをの治療に使用してきました。歯科で使われる金属もほとんどが色々な金属を混ぜた合金です。それは単体の金属より強度が強いためです。特に日本だけで多く使われているのが、俗称「金パラ」という合金です。

この銀歯、実はちょっと訳ありなのです

 ちょっと細かい話になりますがお付き合い下さい。

この「金パラ」成分を細かく説明すると 

  ・金が12%以上、

  ・銀が40%以上、

  ・パラジウムが20%以上、

  ・銅12〜20%

となっています。(パラジウムは聞き慣れないかもしれませんが、宝飾品や自動車の排気ガスを浄化するのに触媒として使われています。)

 ここで勘の良い皆さんは、あれ?と思われるかもしれません。

「順番が違うんじゃないの?」

本来は成分の多い順に並び替えると「銀・パラ・銅・金・合金」なのです。

 ここでの突っ込みは、国が食品表示法に反して(食品ではありませんが)一番成分の少ない「金」を最初に書いてあたかも「金合金」のふりを装っているのです。

 この「金」の割合が少ないことがこんな状況を引き起こします。心臓の弱い方はご覧にならないでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これなに?」とびっくりされるかもしれませんが、全て当院でやり直しの時に外した銀歯の残骸です。 

「なんでこんなに黒いの?」と思われたでしょう。

じつは「銀」の成分が「硫黄」と反応して黒くなるのです。

どこから「硫黄」がやってきたかと申しますと。口の中にも硫黄があるのです。

それは、口臭の主成分である、硫黄化合物である「メルカプタン」が銀と反応して黒くなるのです。ちょっとびっくりです。

(温泉でも硫黄臭いのと同じですよね)

なぜ、このような腐食する金属を日本だけで使われているかというと

1961年に国民皆保険が導入された際に、国は銅亜鉛合金を保険診療に導入しようとしまた。それに対し日本補綴(ほてつ)歯科学会は反対しましたが、当時の厳しい経済状況のため、貴金属に替わる安価な代用金属として開発された金パラを最低限許容できる金属としてとりあえずやむなく認めたものです。ただし、同時に、代用合金の金パラをできるだけ早期に金合金に移行するようにという条件付きであったというが、半世紀以上、学会の勧告は完全に無視されたまま現在に至っています。

 

注:補綴(ほてつ)とは補い綴るという字のごとく、被せ物や入れ歯の事を示す専門用語です。

 

では金歯にすればいいの?というご意見もあるかもしれませんが

話は単純ではないのです。

・・・・・続く