蝮蛇草

蝮蛇草

夏休みは帰省の時期でもあります。

今週も英国、フランス、メキシコなど海外からメンテナンスに来院され

新婚旅行以来海外に行ったことはない私にとって皆さんのお話を聞くことは

行ったことの無い土地へ旅している気分にもなれます。

海外といえば医療、特に歯医者さんは困ることが多いようで

時々メールやスカイプで相談されることも有ります。

今回も帰国される前に、現地での歯科医から治療を提案された例があり

少し考えさせられる事があったので書いてみます。

その方は、前歯が少し凍みる事があってその国の歯科医院を

受診されました。そこでの診断は前歯は問題無いとのことでしたが

それとは別に樹脂で詰めていた奥歯をセラミックに置き換えることを提案されたようです。

もちろんそれなりの理由があればいいのですが・・・・

歯の治療は基本的に後戻りのできない処置がほとんどです。

そこには診断と処置は慎重さが求められます。

いきなり「削りましょう」とは本来ならないはずです。

私だったら、その歯はいつ頃、どいう理由で治療をしたのか?

その後の経過はどうなのか?現在のレントゲンと比較するために

以前のレントゲンはないのか?資料を得て

前医の意図はどのような思いで処置をしたのか?

想像しながら、もし処置が必要ならば、その処置のメリット、デメリット

いつ介入するのか、介入した後はどのようなトラブルが考えられるのか?

大げさにいえばその方の人生を考えながらタイミングと方法を一緒に

考えるのが歯科における診断の大事なポイントだと思うのです。

一瞬、診ただけで即断するのはよほどの緊急時だけだと思うのです。

この様な事は勿論、海外だけで無く、日本でも日常的に聞くことです。

すぐに削りたがるのは、国内外に限らず歯科医の性で

歯を削ってお金に換えることが

「歯科のビジネルモデル」にほかなりません。

日本では医者任せで相談することは保険医療ではなかなかかないませんが

できるだけ相談し納得の上、処置を受けて下さい。

と・・・ここで終わりたいのですが更に注意があります。

歯科医もプロレスラーのように「得意技」というか「意図」があります。

例えばインプラントをする事がビジネスになっている歯科医は

当然ながら、歯を温存するより抜歯してインプラント手術を受ける方向へ

誘導します。ひどい場合には選択肢にすらない場合もあります。

恐ろしいことです。

(神経の治療の機材すらお持ちで無いということも聞き及ぶこともあります)

救いの無い話ですみません