「むし歯」や「歯周病」という「病気」は歯を抜かずに
治療する。ということが今の治療技術ではかなりの対応ができる
しかし、歯の根が割れるということは「イコール抜歯」を意味
する。
だからこそ診断は慎重に行わなければならない。
このグラフでは破折による抜歯は11.4%だが
菊地歯科での抜歯理由No.1は破折でじつに80%以上にも
なる。ところがその見分けは難しい。その理由のひとつは
歯がヒビ割れているだけではレントゲンには
ほぼ写らないということ。
ヒビから裂けて二つに分離して初めてレントゲンにその像として
現れる。しかし、この時はすでに顎の骨を侵している。
このレントゲンはCTによる顎と歯の断面図である。
見て分かると思いますが念のため解説を
次に水平に切断した画像をお見せします。
歯の右下の「L字」の部分は骨が溶けている部分です。
そのため、早期の適切な診断が必要になるが
なかなかそう簡単にいかないのが臨床です。
顕微鏡を使って長年観察していると気がついたことが
あります。それは歯が上から割れる時と下から割れる
ことがあると言うことです。
今回も診断がつかずに長年経過を見ていた末に
抜歯をした症例をお見せいたします。
この画像の下の一番右の歯が問題の歯です。
2013年のCTによるレントゲンを見ると
骨が溶けているのがわかるだろうか?
青いラインは歯の外径、赤いラインは骨が溶けている部分です。
2016年には
またラインを引いてみると・・・・
同じく赤いラインで囲んである骨の溶けている部分が
広がっているのがわかる。
最後には抜歯をさせていただいたのですが
その抜歯した歯を綺麗にして確認しました
それが下の写真です。
根の先に両側にヒビが観察できます。
確実に診断できれば、悩みが少なくなるのですけど
なかなか難しいものです。
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